★2003/8月号★雪の重さに耐える愛する心 ■□■□■

【意識魂の重要性】
素直な喜怒哀楽【いつかは、そうなる】 *:・°
トマス・アクィナスの言葉 ☆彡
後記・・・
□■Active Tarot Reading☆
|●タロット&神智学 の智恵
|【意識魂の重要性】
前回・前前回は、よく売れているらしい『バカの壁』の著作を例に
一般的な思想と、シュタイナーの思想を比べてみました。
まずは、簡単におさらいをします。
>>もっとも一般的な思想
《体》 肉体、身体器官
《魂・精神》 好き嫌い等の感情・それによる考えを漠然とそう呼ぶ
>>神智学的思考回路 <図>
肉体(鉱物界)
┃桟┃
┏ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.感覚魂…一般に私達のいう感情(衝動、欲望、情欲etc.)
動物と同類、本人独自のもの
2.悟性魂…思考内容or感情に盲目的に従う事ない思慮
3.意識魂…反感共感から独立した見識や真理を考える
┗ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃桟┃
精神(真理の生きている世界)
■図1の説明
・肉体は、物質界・鉱物界に属す
・肉体は五官を通して感覚魂に物質界の情報を提供
・感覚魂は、五官から得た情報により共感反感を得る
・悟性魂は、そのあり方によって変化する
知性と思慮を、
感覚魂に依存:感覚の満足に向けその実現を計る
意識魂と関連:見識や真理に従って感情抜きの判断をする
・意識魂は、精神(真理)とのカケハシとなる情報を提供
・精神とは、真理が生きている真と善の世界
感覚魂は、気持ちや環境により差が生じ、個性とバラツキしかるべき。
悟性魂は、
感情魂に従わせると、自分の気持ちの正しさを結論付ける為に尽くし
自分を肯定するための情報をいたるところから見出す。
意識魂という真理を把握する器官と結びつければ、
人間は個人的共感反感から自立することが可能になります。
魂の区分6/13
|——————————————-
理想は様々だと思いますが、言えるのは
幸せは ”人が用意してくれるものではない” し、
幻想的な概念では意味がなく、
現実の中で築いていく力(技能)が必要なのだということ。
だから現実に使用できる技能を身に付けねばならないこと。
それに有効なのが、<図>でいうならば『意識魂』の活性化です。
例えば、
●意志の疎通ができない不幸せは
自分独自の言葉の使い方や
独自に言葉に与えている概念の違いを、感覚魂が作りだしており
悟性魂は、その個人の感情(感覚魂)の肯定のためにつくし
相手と議論を詰めるということになったり相手への不理解に陥ります。
ときに、本質的なことを深読みすれば同じ意味であることに気づかず
延々と議論していることもあるのです。
神智学P.14
議論は、それが自分の思考方法の中に存する論拠だけを通用させようとする人との間で交わされるなら不毛でしかない。
「証明すること」の本質をよく知っている人は、人間の魂が真なるものを発見するのは議論とは異なる道の上においてであるということをよく知っている。
いかにして(略)P.105
人は可能な限り正確に他人のいうことを理解し、そこから得た事柄に則って自分の返事をまとめなければならない。
これらの注意で、感覚魂にストレートに従うことから逃れます。
●希望が叶わない不幸せの例は
名刺とか、情報雑誌とか、経歴とか、容姿とか、お金とか、
地位とか、家柄とか、etc.
現在、ほとんどの人の判断材料は、目に見えるものです。
逆に、それで信用させられ簡単に騙されもします。
悟性魂は、感覚魂に依存した使い方をすると、
感覚魂の欲するものを満足させる機会を外界に探しだそうとします。
それらが実在するかどうかは分からなくても・・・。
タイプの異性があると、そればかりに目が行き
他に目をやることがないのと同じく
仕事も情報雑誌の目当ての項目からしか探せません。
すべてが感情(感覚魂)の満足に使われることになるのです。
シュタイナー心理学講義 P.29
人間の心魂は、もっとずっと高次の限りない完全さを内に担う可能性を持っているのです。人間心魂は動物的なありかたから精神、心魂の現象へ至るのではなく動物が人間のなかで、自分の本分、課題、運命を受けとって、より高次なものへと進化しなければならないのです。
上記の「動物」が、
共感と反感という植えつけられた本能で行動するのでなく、
『自分の本分、課題、運命を受けとって』
より高次なものへと進化しなければならないのです。
それは、人間という大きな枠組の流れは置いておいても
自分個人として始めることが可能です。
以前に書きました『自由の区域』です。
>> バックナンバー__ 4/4号
無制限な希望を要求するだけで、安楽な幸運はないでしょう。
自由の区域イコール、自分の本分・課題・運命を受けとること。
自分の周囲に現れてくる出来事を感覚魂で受け取り、
その共感反感により悟性魂を使用し、
悟性に好きなことを探させ、嫌いな事を排除させようとする、
その考えでは、到底、幸運は得られないということになります。
意識魂の考え、
『自分の本分、課題、運命を受けとる』ことを試すなら、
現実に現れている事を大切に吟味することで、
表面的な視野を超えて判断できるということです。
シュタイナーは、意識魂を活性化することにより、
感情を一層、繊細かつ豊かにすることができると言っているのです。
悟性魂を感覚魂への一方通行から切り離すことで、
判断力が増し、魂が強靭になっていくことが認められます!
それでは・・・と、
『意識魂は、精神(真理)とのカケハシとなる情報を提供』という
ヒントをもとに、宗教に走ることを思い浮かべるでしょうか。
シュタイナー心理学講義P.24
人間の心魂は、動物存在を越え出たものです。
精神が、人間の心魂を動物存在から越え出させたのです。
精神は心魂の中に生きています。精神は心魂から進化したものです。
心魂と精神への通路を見出すためには、
『なによりも深く内的な自己観察、深い精神探求が必要』です。
実践は、
動物的感覚イコール、感覚魂による共感反感を克服することで、
自分勝手な好き嫌いによる判断に人生のすべてを委ねるのでなく
意識魂の下に、いっそう生き生きとした感情を育てることにあります。
今回は、『魂の隠れた深み…精神分析を超えて』を参考にしてみましょう。
|実践例は
ひっそりと自己沈潜する時間を生活の中に確保し、
自分の体験していることを人事のように客観的にみるなど。
『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』と異なる方法です。
>>いかに(略)・・・はHP「神智学」コーナーにも説明あり
魂の隠れた深みP.99
私たちの人生を眺めてみましょう。万人向けの実験があります。自分で努力して得たとはいえない成功、原因がわからない事柄を集めてみることができます。失敗についても、なぜ起きたのか首をひねるような、一見偶然の外的事件についても同じことがいえます。それから次のような実験をするのです。
自分の能力によって私たちには説明のつかない成功のすべてをもたらしてくれた、いわば人工人間を心の中に作り上げてみます。カルマ論集成では、これを奇妙な人造人間とした訳で、自分で屋根に登り瓦をはがして落とし、
慌てて、落ちてくるところに下り、瓦にあたる例を挙げています。
自分の悲観するものごとを、表面的にみて嘆くだけでなく、
自分を奇妙な人造人間に例えて解釈してみたり、
誰かに頼んでまで、瓦を落とす意味があったのだ、
のように考えてみることで、本質的なことを探る思考訓練です。
このような思考訓練は、感覚魂の共感反感により
一喜一憂するしかない思考方法から抜け出る助けになります。
努力し、計画的に進めても、偶然の事故で予定が狂う場合や、
キチント準備し、万全にして空港に行くと、自分の乗るべき便が
遅れるなどして、その後の予定がダメになることなど、
それらが本当に偶然であり、原因が自分にあると見出せない場合の、
最も結果の明らかな例として、命が救われる例もあります。
大事なことは、そのような小さな出来事が
日常にも多々ある事に気づくようになることです。
そこから、嬉しい悲しいを超えて、
自分にとっての意味を考える思考回路が出来てきます☆
自分の関わる世界(自由の区域)は、私達そのものであり、
前世に自分が何かを全力で試みようとした結果を引き継ぐため
自分が用意したものなのです。
ですから、その中で必ず関心のあるものが現れ、嫌うものも現れます。
自分が良かれと思って準備した意図があるのですから、
その意味を悲しい嬉しいだけでなく、くみ取ろうとすれば
隠された意図が見えてくる・・・・それが、神智学の考え。
人造人間は、そのイメージを引き出し定着させる実験です。
|//// 個人的感想 ////////////////////////////
感覚魂が、イライラし、すっとすることを望むと、
感覚魂に仕えることしか出来ない悟性魂は、
薬物や様々な依存症や通り魔殺人さえ提案している現状です。
幸せは、自分の判断でチャンと目指せることを知ってほしいです。
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このような方法で意識魂を活性化することにより、
嬉しいことは良いことで、苦しいことは悪いことである! と、
決めつけて感じていた感覚魂をしだいに統御することが出来、
悟性魂の判断材料も増えていくのです。
|・悟性魂は、その知性と思慮を、
| 感覚魂に依存:感覚の満足に向けその実現を計る
| 意識魂と関連:見識や真理に従って感情抜きの判断をする
でしたものネ ・・・・・・・・・・・・☆
肉体・魂・精神という3分節化した思考方法により
個人をこえた調和への可能性が生まれます。
人間の思考回路のイメージが出来て役立てば嬉しいです。
どういうようなことを書こうかテーマに苦悩しています。
ご要望があればお聞かせください。
Ohenji Guest Book~☆
●引用したシュタイナー書物
*
魂の隠れた深み―精神分析を超えて
ルドルフ シュタイナー, Rudolf Steiner, 冥王 まさ子, 西川 隆範
/河出書房新社
シュタイナー選集 第1巻 神智学
/イザラ書房
シュタイナー 心理学構義/平河出版社
■ルドルフ・シュタイナーとは■
1861-1925年。
教育学・医学・農業・建築・社会論などの分野に
業績を残した哲学博士です。
単なるカルトおじさんではなく、ヨーロッパでは
教科書にも乗るほどの人ですので、安心してお読みください。
*;*;+*+ *:*’*+
|●実践経験&素直な言葉
|<<いつかは、そうなる>>
私がシュタイナーに出会えて、実践してみるようになり
実際的に役だったのは、占いだけでなく、
禁酒・禁煙などの生活に関することです。
その他、周囲への依存心もコントロールできるようになりました。
その方法は、「いつかは、そうなるべき自分になれる」
というシュタイナーの考え方の効果です。
禁欲は、自分の魂がそれを欲しなくなり
それを止めることにナンの苦痛もなくならないと
大きな意味はないものだ・・・・というのです。
だから止めなくてはいけない!ということに意味はなく、
止めた方がよいと悟性で考える効果は薄いのです。
要は、自分の感情が変化するように仕向けることでした。
私が生活態度を変えた理由は、健康と食事や病気に関する
シュタイナー著書を読み、その効果を試してみたのがキッカケでした。
とくにアルコールと肉食を止める効果は、すぐに解りました。
大変、感情コントロールがしやすくタロットを読むときに、
自分の欲や不安で、解読しにくい状態がなくなりました。
プライベートでは、無意味なナーバス感や寂しさがなくなりました。
それにより本格的に、禁酒の継続はしています。
私の気持ちが、禁酒をしたいのでしている・・・・、それが効果です。
何を大切にするかは、私達自身の問題です。
食事も人生も、効果をとるか嗜好を取るかも・・・・
最終的な「いつかは、そうなるべき自分像」は、
今まで男に生まれたかったと思うことばかりでしたけど、
今は、運命を受け入れて、女性として幸せになることです。
私が、栄養管理をしてあげましょう☆
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|●トマス・アクィナスの言葉
人間の心魂は、輝く月に等しい。
しかし、月は光を太陽から受けとっているのだ。
人間の心魂は水に等しい。
水は冷たくもなく、暖かくもない。
水の暖かさは、火から得られたものだ。
人間の心魂は高次の動物の心魂に等しい。
しかし動物の心魂は、人間の精神から光を受け取ることによって、
人間の心魂になっているのだ。
Thomas Aquinas(1225-1274)
イタリア出身の神学者。アリストテレス哲学を研究し、
スコラ哲学を大成した。三分説は『神学大全』や
『対異教徒大全』に述べられている。
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・・・・・・・・・後記・・・・・・・・
お盆の伊豆は、1日くらい晴れて、後は、ずっと大雨。
私は帰省もいたしませんので、
ずっと自宅でマガジンの題材を考えていました。
普段は足がなく出かけることも稀ですが、
お盆に無料のシャトルバスが出たのを利用し、
2度ほど雨の中、ショッピングモールなどに行きました。
バスの窓から、雨にうたれる緑や道を眺めながら過ごすのも良かった。
別荘を訪れたものの、海にも行けない方の買いだしで溢れていました。
発行人: Active Tarot Reading 佐藤 よし子